絵本の与えすぎ・買いすぎは本当にダメ?もと保育士ママが教える適切な絵本の与え方
「子どもには絵本をたくさん読ませてあげたい」
「でも買いすぎて経済的に負担になっている」
「絵本が多すぎて子どもが選べずにいる」
こんな悩みを抱えているママ・パパは多いのではないでしょうか。
私自身、元保育士として現場で多くの子どもたちを見てきた経験から、絵本の与えすぎ・買いすぎについて数多くの相談を受けてきました。
現在、3歳と0歳の子供を育てる母親として、そして元保育士としての視点から具体的な解決策をお伝えします。
・絵本の与えすぎ・買いすぎは本当に大丈夫なのか?研究結果を元に解説します
・絵本の多すぎる家庭の子はどう育つのかについて
・絵本を買いすぎて後悔した…我が家の失敗談と学んだこと
・絵本の与えすぎを防ぐ!年齢別「適切な絵本環境」の作り方について
・絵本の与えすぎ・買いすぎに関するママの不安を解消!Q&Aで詳しく解説します
・絵本の買いすぎを防ぐ!「何を選べばいいか分からない」ママにおすすめの方法について
絵本の与えすぎ・買いすぎは大丈夫?
結論から申し上げると、絵本が多いこと自体は子どもにとってメリットをもたらします。
ただし、適切な管理なしに闇雲に増やすと『多すぎる』状態となり、 かえって子どもの混乱を招く可能性があります。
重要なのは『質の高い環境づくり』です。
絵本は適切な与え方をすれば、絵本の与えすぎが子どもに悪影響を与えることはありません。
むしろ、家庭の蔵書数と子どもの学力には明確な相関関係があることが研究で証明されています。
早稲田大学の研究によると、家庭の蔵書数と大学進学率には以下のような関係があります。
- 501冊以上の家庭:大学進学率76.4%
- 10冊以下の家庭:大学進学率23.1%
この数字を見ると、絵本を含む本の多い環境が子どもの学力向上に関係していることは明らかです。
しかし、ここで重要なのは「ただ多ければいい」というわけではないということです。
単純に本の数が多いだけでなく、子どもの発達段階に合った本を適切に選び、親子で楽しく読み聞かせをしている家庭の子どもほど、言語能力や集中力が高い傾向にありました。
絵本が多い家庭の子どもはどう育つ?
絵本が
元保育士が現場で見た「絵本の多い家」の子どもの特徴
私が保育士として観察してきた中で、家庭の蔵書数が多い子どもたちには以下のような特徴がありました。
語彙力の豊かさ:
2歳児クラスでも「きれい」だけではなく「キラキラ」「まぶしい」といった多様な表現を使う子どもがいました。
これらの子どもは例外なく、家庭でたくさんの絵本に触れていました。
集中力の持続時間:
読み聞かせの時間に、最後まで話に集中していられる子どもは、普段から絵本に慣れ親しんでいる子どもが多く、10分程度の長めの絵本でも飽きることなく聞いていました。
年齢別に見ると、3歳児クラスでは自分で本を選ぶ能力、4歳児クラスでは物語の展開を予想する思考力、5歳児クラスでは文字への興味の芽生えが、家庭の絵本環境と密接に関係していることが観察できました。
発達心理学から見る「絵本の与えすぎ」への反論
発達心理学の観点から見ると、選択肢の多さは子どもの自主性の発達を促します。
多くの絵本がある環境では、子どもは自分の興味や発達段階に合った本を自然に選び取るようになります。
これは決して悪いことではありません。
また、好奇心の芽を摘まないためにも、豊富な絵本環境は重要です。
子どもの興味は突然変わることがあり、昨日まで見向きもしなかった本に今日は夢中になるということもよくあります。
そのような時に、すぐ手の届く場所に様々なジャンルの絵本があることは、子どもの知的好奇心を満たす上で非常に有効です。
絵本を買いすぎて後悔…我が家の失敗談と学んだこと
我が家では絵本を買いすぎて後悔した経験があります。
以下で詳しく解説します。
よくある「絵本の買いすぎ」の悩みとは?
多くのご家庭から相談を受ける「絵本の買いすぎ」の悩みには、以下のようなものがあります。
経済的負担は最も多い悩みです。
質の良い絵本は1冊1000円以上することが多く、月に何冊も購入すると家計に響きます。
収納スペースの問題も深刻で、増え続ける絵本の置き場所に困っている家庭は少なくありません。
そして意外に多いのが読まない本への罪悪感です。
「せっかく買ったのに子どもが読んでくれない」「もったいない」という気持ちを抱えるママは多いようです。
さらに、絵本が多すぎて子どもが選べない状況になってしまうことも問題の一つです。
元保育士ママのリアル体験談「与えすぎ」の実態
私も「絵本の買いすぎ」で失敗した経験があります。
娘が0歳の頃、第一子という事もあり「早期教育が大切」と張り切りすぎて、月齢に合わない難しい絵本まで購入してしまいました。
結果として、娘は全く興味を示さず、むしろシンプルな布絵本や音の出る絵本の方を好みました。
また、一時保育の読み聞かせで人気だった絵本を家でも購入したところ、全く惹きつけられず無関心だったこともあります。
集団での読み聞かせと、家での一対一の読み聞かせでは、子どもの反応が大きく異なることを実感しました。
現在我が家には約50冊程の絵本がありますが、娘が実際によく読むのはそのうち20冊程度です。
これは決して無駄ではなく、成長とともに興味を示す本が変わっていくためです。
「絵本の買いすぎ」を防ぐ効果的な解決策
失敗を通して学んだ効果的な解決策をご紹介します。
図書館を「お試し期間」として活用してみましょう。
気になる絵本があっても、まずは図書館で借りて1週間程度様子を見ます。
その間に子どもの反応を観察し、何度も「読んで」とリクエストがある本、自分でページをめくって見ている本だけを購入対象とします。
そして、年齢に応じた選び方も心がけています。
発達段階に合わない本は子どもの興味を引かないばかりか、絵本自体への関心を失わせてしまう可能性があります。
絵本の与えすぎを防ぐ!年齢別「適切な絵本環境」の作り方
絵本の与えすぎを防ぐための環境づくりについて年齢別に以下で解説します。
0歳児の絵本環境(与えすぎないポイント)
0歳児には布絵本や仕掛け絵本が適しています。
この時期は「読む」というより「触る」「舐める」「音を楽しむ」ことが目的です。
与えすぎのサインは、興味を示さない、他のおもちゃを好むといった行動です。
0歳児クラスの絵本の読み聞かせの際に、絵本よりもボールや積み木に夢中になる子どもは、家庭でも「絵本はたくさんあるけどいまいち興味を示さない…」と悩む保護者が多い傾向でした。
0歳児には、質の良い布絵本を1冊、音の出る絵本を1冊、コントラストの強い絵本を1冊程度から始めることをおすすめします。
1歳児の絵本との付き合い方
1歳児には繰り返しの言葉が使われた絵本や身近な物の名前が出てくる絵本が最適です。
「ワンワン」「ブーブー」などの擬音語や擬態語を多用した絵本を好みます。
この時期の「多すぎる」問題は、選択肢が多すぎて集中できないことです。
我が家でも1歳の頃、本棚に20冊以上並べていたところ、娘は次々と本を引っ張り出すだけで、一つの本をじっくり見ることができませんでした。
本棚に並べる絵本は5〜8冊程度に厳選し、週に1度程度入れ替えることで、常に新鮮な興味を保てます。
2歳児期の絵本環境(自我の芽生えとバランス)
2歳児は感情を扱った絵本や生活習慣の絵本がおすすめです。
「いやいや」の感情の起伏を描いた絵本や、歯磨き・トイレトレーニングに関する絵本が役立ちます。
イヤイヤ期と絵本の関係では、自分で絵本を選びたがる気持ちが強くなります。
与えすぎを防ぐコツは、子どもに選ばせることです。
親が用意した3〜4冊の中から「どれを読む?」と選択させることで、自主性を育みながら混乱を防げます。
3歳児期の絵本環境(現在進行形の体験談)
3歳児にはストーリー性のある絵本や想像力を刺激する内容の絵本が適しています。
「ぐりとぐら」「はらぺこあおむし」のような物語性の高い絵本を好むようになります。
この時期は好みの確立期で、親の役割は子どもの興味を観察し、それに沿った絵本を提供することです。
我が家では「買いすぎ」を防ぐために、「月に新しい絵本は2冊まで」というルールを設けています。
4歳児で気をつけたい「絵本の多すぎる」問題
4歳児は文字に興味を示す時期ですが、この時期に絵本が多すぎると以下の問題が生じます。
多すぎることで起こる問題:
・選択に時間がかかりすぎて読書時間が減る
・レベルの合わない本を選んでしまい挫折する
対策:
・子どもの読解レベルに合わせた10-15冊に厳選
・子ども自身に「今週の5冊」を選ばせる」
ひらがなが読めるようになり始めるため、文字の少ない簡単な絵本から、少し文章の多い絵本への移行期となります。この時期は自立的な本選びを促すことが重要です。
保育園での4歳児クラスでは、図書コーナーで自分で本を選んで読む時間を設けていました。
家庭でも同様に、子ども専用の本棚を用意し、自由に選ばせる環境を作ることが大切です。
5歳児の絵本環境(小学校準備期)
5歳児には長いお話や知識系の絵本が効果的です。
昔話や科学絵本、図鑑なども興味を示すようになります。
この時期は図書館デビューの最適タイミングです。
自分で本を選ぶ楽しさを知り、「自分で選ぶ」への移行期として重要な時期です。
図書館では借りる本の冊数を子ども自身に決めさせることで、責任感も育まれます。
絵本の与えすぎ・買いすぎに関するママの不安を解消!Q&A
絵本の与えすぎ・買いすぎによる不安をQ&Aで解説します。
Q1: 絵本が多すぎるとどんな問題がありますか?
A: 収納場所の問題、 経済的負担などがあります。
絵本は多いほど子どもの選択肢が広がります。
しかし、適切な管理なしに増やしすぎると逆効果になる場合もあります。
年齢に応じた環境づくりと定期的な見直しで、 『多い』メリットを最大限活かしましょう
Q2: 絵本が多すぎると他の遊びに興味を示さなくなる?
A: 実際の子どもの行動パターンを観察すると、絵本が多い環境の子どもほど、むしろ様々な遊びに興味を示します。
これは絵本を通じて得た知識や体験を、実際の遊びで再現したくなるためです。
バランスの取れた環境作りのポイントは、絵本コーナーと遊びのスペースを明確に分けることです。
絵本の時間と遊びの時間にメリハリをつけることで、どちらも充実させることができます。
Q3: 絵本を買いすぎて経済的に続けられません
A: 経済的負担を抑える方法として、図書館の積極活用と古本の活用をおすすめします。
図書館では新刊から名作まで幅広くそろっているので、読みたい絵本が見つかることが多いと思います。
また、古本屋やフリマアプリでは、状態の良い絵本を半額以下で購入できることが多いです。
Q4: 絵本が多すぎて収納場所がありません
A: 保育園での整理術を応用すると、定期的な入れ替えが最も効果的です。
全ての絵本を出しておく必要はありません。
月に一度、季節や子どもの興味に合わせて10〜15冊を選んで本棚に並べ、残りは収納ボックスに保管します。
子どもが管理しやすい方法として、本棚は子どもの目線の高さに設置し、表紙が見えるように収納することで、選びやすく片付けやすい環境を作れます。
絵本の買いすぎを防ぐ!「何を選べばいいか分からない」ママにおすすめの方法
絵本を選ぶ時に「何を選べばいいかわからない」というのも悩みの一つかと思います。
絵本の買いすぎや不安を防ぐ為の方法を詳しく解説します。
月齢・年齢に最適化された絵本で「与えすぎ」を防ぐ
保育士として現場で感じていたのは、発達段階に合った選書の重要性です。
どんなに良い絵本でも、子どもの発達段階に合わなければ興味を示しません。
逆に、適切な時期に適切な絵本を与えることで、子どもの反応は劇的に変わります。
「買いすぎ」を防ぐ定量システムとして、年齢に応じた目安冊数を設定することをおすすめします。
0〜1歳は月1〜2冊、2〜3歳は月2〜3冊、4〜5歳は月3〜4冊程度が目安です。
この範囲内であれば、経済的負担も管理可能で、子どもも混乱することなく絵本を楽しめます。
絵本だけじゃない!総合的な知育で「多すぎる」不安を解消
「絵本をたくさん与えなければ」という気持ちで絵本をただ買うのではなく、総合的なアプローチを取ることが大切です。
大切なのは、絵本と他の知育活動を組み合わせることの効果です。
例えば、動物の絵本を読んだ後に動物園に行く、料理の絵本を読んだ後に一緒にクッキーを作るなど、遊びと学びのバランスが取れた環境作りが総合的なアプローチとなり子どもの発達により効果的です。
総合的なアプローチにおすすめの通信教材「こどもちゃれんじ」とは?
「遊びと学びのバランスが取れた環境づくり」こうした総合的なアプローチには、「こどもちゃれんじ」のような月齢に合わせた通信教材も一つの選択肢としておすすめです。
絵本、知育玩具、体験活動が体系的に組み合わされているため、「何を選べばいいかわからない」という悩みを解消できます。
こどもちゃれんじベビー始めてよかった…おもちゃと絵本が自動で家に届くのほんとうに助かるよ〜😭😭
おすすめしてくださった方々に感謝😭
プレイマット上がカラフルになっててかわいい〜 pic.twitter.com/nvVc25Iyfb— すま (@suma_ma_k) August 20, 2025
最近この絵本がお気に入りでこれ読んでって感じでうっ!てエンドレスに渡してくれる👶🏻✨
何回読んでもキラキラしたおめめで大興奮で聞いてくれる姿が可愛過ぎて🥺
こどもちゃれんじベビーで6ヶ月目?に届いた絵本なんだけど他にもお気に入りの絵本やおもちゃがあって、本当にちゃれんじおすすめ🫶🏻 pic.twitter.com/7J1jUQClZ3— ひよこ (@hiyoko4542) December 9, 2023
実際にコスパ面で検証すると、絵本を個別に購入する場合と比較して、こうした総合教材は1ヶ月あたり3000〜4000円程度で、絵本4冊分の価格で多様な学びが得られるため、経済的にもメリットがあります。
また、収納面でも月1回の配送で管理しやすく、「買いすぎ」の心配もありません。
詳細については以下で詳しく紹介しています。
絵本の買いすぎ・与えすぎは大丈夫? まとめ
絵本の与えすぎ・買いすぎについて様々な角度から解説してきましたが、保育士として多くの子どもたちを見てきて、そして母として我が子を育てる中で強く感じるのは、絵本の冊数よりも「一緒に楽しむ時間」の方がはるかに重要だということです。
絵本の与えすぎや買いすぎを心配するより、親子で絵本を楽しむ質の高い時間を作ることの方が子どもの成長にとって価値があります。
大切なポイントを以下にまとめています。
- 絵本の与えすぎで悪影響が出ることはほとんどない。
重要なのは『質』と『与え方』です。 - 重要なのは冊数ではなく、子どもの発達段階に合った絵本選びと親子で楽しむ時間
- 年齢別の目安冊数:0-1歳(月1-2冊)、2-3歳(月2-3冊)、4-5歳(月3-4冊)
- 絵本が多すぎる時は定期的な入れ替えで子どもの混乱を防ぐ
- 絵本だけでなく体験活動と組み合わせた総合的なアプローチが子どもの発達に効果的
- 「遊びと学びのバランスが取れた環境づくり」には通信教材「こどもちゃれんじ」がおすすめ
絵本は子どもと親を繋ぐ架け橋です。
絵本の買いすぎへの不安よりも、子どもと一緒に絵本を読む喜びに焦点を当ててみてください。
子育ては長い道のりです。
焦らず、楽しみながら、子どもの成長に寄り添っていきましょう。